江戸時代から人気の魚籃寺の魅力とは?永代供養はもちろんジャズも行っている!?

魚籃坂(ぎょらんざか)、という坂を御存知でしょうか? 駅でいうと東京メトロと、都営地下鉄が乗り入れる白金高輪が最も近く、そこから国道15号=第一京浜に向かって下っていく坂が、この名前で呼ばれています。

白金も高輪も、東京でも屈指の超高級住宅街ということで、この坂の名前を躊躇わずに読めるのは先の二つの街の関係者、つまりはセレブかその知人というイメージを演出できるのではないかと思いますが、冗談はさておき。この魚籃坂の名の由来となったのは何か、まではご存じの方は少ないのではないでしょうか。


出典:http://www.minato-kanko.com/kankou/gyoranzaka

答えを書いてしまうと魚籃坂の中ほどにある、魚籃寺というお寺の名前が元になっています。正式には「三田山 水月院 魚籃寺」。創建は江戸時代初期の貞応元年(1652年)と歴史は古く、御本尊として魚籃観音を祀っています。


出典:http://www.gyoran.org/vicinity/gyoran.html

江戸時代から庶民に親しまれる本尊・魚籃観音像

「籃」とはカゴのことで、魚藍と熟語になると、魚を入れる魚籠(びく)のことを指します。このお寺の観音像も名前の通り、右手に魚を入れた竹篭を提げ、髪を髷に結った乙女の姿をしています。

これは、中国の唐の時代に、当時はまだ仏教が伝わっていなかった土地に乙女の姿で現れ、魚籠に入った魚を売り歩きながら仏教を広めたという故事に基づくもの。普段は非公開の秘仏とされていますが、年に1度、多くは5月の「大施餓鬼法要」の際に御開帳されます。

魚を入れた魚籠を提げた姿から、古くは大漁祈願から転じて商売繁盛、受験合格祈願に御利益があるとされ、また海上安全から拡大解釈されて旅行安全、交通安全、厄難消除を祈願する方も多いようです。


出典:http://www.butuji.co.jp/eitai/gyoranji/

この観音様、浅草・浅草寺の聖観音や、回向院の馬頭観音と並び、「江戸三十三箇所」観音霊場に選ばれるほど古くから人気が高く、戦後に改定された「昭和新撰江戸三十三観音札所」の第25番札所として、今も人気は健在のようです。その辺はお寺の方でもよく心得てらっしゃるのか、御開帳の時期を逃して拝観できるレプリカを用意し、こちらは年中拝めるようにしています。

コレクター増加中の“御朱印”を、比較的もらいやすい?

さて、札所巡りといえば、確かに行った証として御朱印を拝受するのも一つの醍醐味です。しかし、印章を押す「版木押し」や、予め書いてある別紙を朱印帳に貼り付ける「書き置き」を用意しているお寺以外では、書き手の方がいないといつでもいただけるものではありません。

ところが、この魚藍寺は比較的、御朱印をもらいやすいお寺として知られています。というのも、庫裏には「御朱印の方はインターホンを鳴らしたら遠慮なく中に入ってきて下さい」と表書きがしてあるので、自由に入れる時間なら結構ズカズカと入り込んで、直々におねだりできてしまうからなのです。

もちろん、御朱印は参拝の証といただくものなので、スタンプラリーのように収集目的ではなく、ある程度の信心の心と礼節を持って、お参りすることが先決となります。

運がよければ拝めるかも? 港区指定の文化財

御本尊以外の魚籃寺の見どころとしては、港区指定の有形民俗文化財である「魚籃寺奉納絵馬及び掛軸」と、同じく港区指定の有形文化財・歴史資料の「魚籃観世音霊験記等版木」が挙げられます。これらはいずれも非公開ですが、前者はこのお寺を篤く信じる人々によって奉納された絵馬と掛け軸で、安政年間から幕末、明治期と時代をまたいで信仰を集めたことが伺われます。

また後者は、参拝者には頒布した印刷物の版木で、魚籃観音や寺に関するエピソードをまとめた、いわば販促物の元データ。口頭や手書きではPRが間に合わないほど人が訪れ、繁盛したことが想像されます。

仏の慈愛を顕現した? 境内の一角を占める一軒家

境内の他のブロックを見ていきましょう。本堂の右には水子の供養のための地蔵尊が祀られています。その右後ろにある塩地蔵尊は、その昔、高輪の海から出現したと伝えられ、塩を供えて願をかければ、身がわり地蔵として災難を受けてくれると信仰されています。


出典:http://www.butuji.co.jp/eitai/gyoranji/

もう一つ、これは見ものとは違いますが、魚籃寺の大きな特徴といえるのが境内にある2階建ての一軒屋。これは都内で入院する難病患者の家族が低予算で滞在できる、NPOファミリーハウス運営の「おさかなの家」といいます。


出典:http://www.jhhh.jp/house/kanto/000310.html

特に幼い患者のご両親の利用を目的としており、同じ港区内の東京慈恵会医科大学附属病院や隣接区の国立がんセンターに入院し、闘病する子供たちと、その家族を支えています。事情が事情なので、ジロジロ見るような態度は感心しませんが、決断した山田智之住職の気持ちや、お寺や宗派の教えが形になっているように思えます。

また、このお寺では、ファミリーハウスの活動を支援する、チャリティー・ジャズ・コンサートも昨年、一昨年と行っています。それが「Jazz Night @ 魚籃寺」で、今年はまだ発表がありませんが、過去2年は9月に開催されました。


出典:https://ceh.cosmo-oil.co.jp/phil/report/2016/charityconcert.html

お寺とジャズ、というのはアンバランスな感じがありますが、オランダ王国大使館の助成を受け、同国のトップ・アーティストが来日する本格的なもの。大使館も同じ港区と近く、やはり同じ区内のコスモ石油が協賛していることから、なんとなく神仏習合の頃のお祭りに、御祝儀を出すような感覚なのかもしれません。

最後に宗派について。浄土宗に属し、創建こそ先に書いたように江戸時代初期1652年ですが、さらに遡ると徳川2代将軍・秀忠の治世である元和3年(1617年)に、九州は豊前・中津にある円応寺に建立した塔頭「魚籃院」を前身といわれます。

江戸時代から人気も高く、今もジャズ・コンサートを開くほどの、いい意味での俗っぽさを兼ね備えながら、慈愛の心を形に残す三田山 水月院 魚籃寺。それでも御朱印集めには気さくに応じてくださる、そんな懐の広さ、深さが魅力なのかもしれません。

寺院詳細

正式名称:三田山 水月院 魚籃寺

所在地:東京都港区三田4-8-34

Tel.:03-3451-5677/03-3451-6014

最寄駅:東京メトロ南北線/都営地下鉄三田線 白金高輪駅より徒歩2分

都営浅草線 泉岳寺駅より徒歩10分

参拝時間:不明

お墓・納骨堂: 永代供養墓 「やすらぎの園」(二人用)120基(一人用)175基

※ペット永代供養墓もあり/一般墓所の問合せはTel.03-3451-5677へ


出典:http://www.butuji.co.jp/eitai/gyoranji/

魚藍寺周辺の地図

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