八王子の本立寺は永代供養の他にも御朱印巡りやヨガを行っている楽しいお寺

東京・八王子、というとどんなイメージをお持ちでしょうか。大学や短大が多く、学生時代にお世話になったという方もいるかもしれません。またベッドタウンとして現在進行形で住まい、物件をお子さんに残そうという方もいるかもしれません。

そんな八王子は、江戸時代に甲州街道の宿場町として発展しますが、江戸を孕む武州(武蔵国)と、甲州(甲斐国)の境界ということで、江戸初期はとりわけガードが固められました。なんといっても甲州は、家康がもっとも恐れた信玄率いる武田軍団の土地。

細心な家康は江戸入府以来、武田勢及びその残党を恐れ、八王子に守備隊を置きました。その名も「八王子千人同心」といい、中には武田家の敗走を受けて主家を失った家筋もあったといいます。

武田残党を失業させて恨みを買うより、そばに寄せて監視できるようにしよう、タヌキに例えられる家康には、そんな思惑があったのかもしれません。とはいえ、そんな千人同心の一人が開基したとされ、また江戸中後期の千人同心が眠る墓地があるのが、日蓮宗寺院の長光山本立寺です。


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千人同心に縁のある寺院

本立寺は、まだ戦国時代の永禄9(1566)年、本立院日建という僧により、今も八王子市内にある滝山城下に創建されました。当時は、まだ武田信玄や上杉謙信が存命で、少し前には第4次川中島の合戦が行われたばかり。戦乱の時代をよく無事に乗り越えたものです。

以降、城主の北条氏が新たに八王子城を築城したのに伴い、同城下に移りましたが、天正18(1590)年のいわゆる「八王子城合戦」で、北条氏が破れたことで、新領主となった徳川家康が廃城としたため、城下からは以前の賑わいが失われました。

街から人が減れば、信仰に頼る人も減るものです。寂れた様子を見かねたのでしょうか、八王子千人同心頭の一人であった、原胤従によって慶長元(1596)年、本立寺は現在地に移されたといいます。慶長元年といえば、関ヶ原の合戦を後に控え、当然ながら家康が幕府を開く前。

千人同心は幕府以前の江戸徳川家に縁のある、由緒正しい役職ということになります。ただ最初の頃は9人、10人レベルで、実際にはとても足らなかったそうですが、「ゆくゆくは千人」を目標にチーム名としていたのかもしれません。

そんな本立寺の見どころが、原胤従の家系に連なる江戸後期の千人組頭・原胤敦の墓。「寛政の改革」で知られる寛政12(1800)年、当時“蝦夷地”と呼ばれた北海道の警備と開拓のため、弟・新助を含む配下100名と共に赴任した人物です。


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文化元(1804)年に、極寒のため死者16人を出すなど困難を極めましたが、それなりの功績が認められ、同年2月に箱館奉行支配調役と、ちょっとない出世をしました。多分、当時の北海道に対し、いちばん知悉している日本人だったからなのかしれませんが、配下の者も「地役御雇」として警備と開拓に従事したそうです。

なんだか日本にはあまりいない、探検家のような苦難と栄光の物語ですが、この時期あたりから、本格的に外国船が「領海侵犯」してくるようになるのですから、責任は重かったことでしょう。また、こうした縁があったことで、八王子市と苫小牧市は、現在姉妹都市となっています。

この他に、本立寺に眠る有名人の一人が江戸文化研究・考証の第一人者、「江戸学」の祖ともいわれる三田村鳶魚。彼も千人同心の家系の生まれというから、どれだけ縁があるのかと思ってしまいます。

スタンプラリー感覚で参拝に行ける、毘沙門天

もう一つの見ものが、八王子七福神に数えられる毘沙門天です。「八王子七福神めぐり」は、約30年ほどの歴史を持ち、末広の意味を持つ「八」の数が、八王子の地名にも因むことから、さらに吉祥天が加えられた「八福神」として参ると、八つの「福」が期待できるという企画です。

8カ所を参拝する所要時間は、徒歩で約3時間相当とされ、コースも歩きやすいことから、目的を持ってウォーキングが楽しめるのではないでしょうか。また八王子七福神では、各寺院で販売している色紙や絵馬に御朱印がいただけるうえ、同じ色紙で7年まわっていただくと「金色の色紙」がもらえるなど、モチベーションを高める仕掛けもあります。

本立寺の毘沙門さまに関しては、受付・問い合わせ時間制限があり、午前9時から午後5時までとなっています。一方本立寺は、法事や行事の期間以外は基本的にいつでも参拝可能とかなり柔軟な対応です。


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写経に読経にヨガも開催する懐の深さ

この他にも、本立寺では門信徒以外も気軽に訪れやすいイベントを開催しています。

まず無料で参加できるのが毎月1回、第1木曜日の「法華経写経会」と、開催時期要確認のお経を読む、読経教室です。
前者はいわゆる写経会ですが、いろいろな動機での参加を認めています。たとえば静かなお寺で煩わしい日常を忘れたいとか、もちろん本来の修行のためでもいいですし、亡くした者に対し、せめて何かしてやりたいという思いからなら、きっと供養になると思います。こちらの写経は書道の稽古とは違い、字の上手・下手を気にすることはないと明言しているのも心強いですね。


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後者の読経教室は、お経をスラスラ読める、最終的にようには空で覚えておきたいと思う人への教室です。初心者向けに「イロハ」相当の部分から、お経の意味や基本的な所作、仏壇への祀り方も教えてくれる、ということ。初級終了者で続けたい人ために、中級コースも用意しています。

いずれも無料と紹介しましたが、前者は手本と手引、用紙の「写経セット」(4000円)が最初に必要で、写経用紙が切れたら1枚100円で販売するほか、写経したお経をお寺に納める場合は「納経料」というのがかかり、こちらは1000円となっています。

後者のお経を読むだけだからタダかと思いきや、本立寺のお経本を持っていな人は2000円で買わなければなりません。どちらも初期出費ぐらいですのでケチケチしたくはありませんが、他人に紹介する時にあまり無料を強調すると、話が違うといわれるかもしれません。


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最後に、いちばんユニークなのがロータスヨガについて紹介しましょう。本立寺では、お坊さん方の朝のお勤めが終わってすぐの、本堂を使ってハタ・ヨガを行います。

仏教の原点はインドのゴータマ・シッダルタ、つまりはお釈迦さまに遡るのは知っていましたが、お寺が座前ではなくヨガをおすすめしてくると面食らってしまいます。こちらは原則毎月第2・4金曜、朝7:45〜9:00に行っており、料金は1レッスン1300円となっています。

歴史が出会う街道らしいお寺

では改めて宗派などを振り返って終わりましょう。宗派は日蓮宗、寺号は長光山本立寺といいます。本尊ではなく本仏は宗祖・日蓮上人も信仰したという「久遠実成本師釈迦牟尼仏」と見ることができます。

武州と甲州の境の街で、武田家ゆかりの千人同心が守った八王子。その千人同心が開基し、縁の深い八王子の古刹が、上杉謙信が敬愛したという、毘沙門天を安置しているというのがなんとも面白いですね。

八王子は江戸期以降は宿場町となり、現在に至りますが、旅人たちとともに、歴史そのものがすれ違う街なのかもしれません。

寺院詳細

名称:日蓮宗 長光山本立寺
所在地:東京都八王子市上野町11-1
TEL:042-622-2262
最寄駅:・JR「八王子」駅、京王線「京王八王子」駅より徒歩15分
お墓・納骨堂:永代供養塔のほか、一般墓地あり。遺骨の一時預かりにも対応。


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本立寺周辺の地図

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